栄養相談

栄養士より#19 インスリン抵抗性と不妊

2017.02.21

 

このような症状はありませんか?

・甘いものが大好きで、お菓子やケーキ、アイスクリーム、菓子パン、果物などの間食がやめられない
・手足が冷たい、冷え症である
・めまいや立ちくらみがしやすい
・胃腸が弱く便秘症
・生理不順、無排卵月経
・集中力がなく、疲れやすい
・お腹がすくと機嫌が悪くなる
・すぐイライラした気分になる
こんな症状のある方は、血糖のコントロールに問題があるかもしれません。
「インスリン抵抗性について」
血糖値とは血液内のブドウ糖の濃度のことです。血糖値は通常、ホルモンによって一定の範囲に調整され、維持されています。血糖値の濃度が高くなると膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、血糖値を下げるように作用します。一方、濃度が低くなると、アドレナリン、ノルアドレナリンなどのホルモンが分泌されて血糖値を上げるように働きかけます。このように体には血糖値をなるべく一定に保とうとするシクミが備わっています。しかし血糖値を急激に上げるチョコレートやケーキ、アイスクリームなどの甘いものや糖質が高いものばかり食べていると、インスリンが過剰に分泌され続け、膵臓が疲弊してやがてはこの血糖調節がうまくいかなくなってしまいます。そしてインスリンを分泌しても血糖値を下げられず、さらに分泌を続けるというインスリンの効きが悪くなる状態「インスリン抵抗性」を招きます。
一般的には糖尿病予備軍を指しますが、これが不妊と大きく関係します。
「PCOS(多のう胞性卵巣症候群)とインスリン抵抗性」
インスリンはさまざまな疾患の発症に関わっているとされますが、その一つに婦人科系疾患の「PCOS(多のう胞性卵巣症候群)」があります。PCOSは卵巣が腫れてその中に多数ののう胞がある病態を指し、多のう胞性卵巣の9割の人に排卵障害があるとされ、また排卵障害の人の20~40%がPCOSであると言われています。月経異常を生じ不妊症の主な原因になるだけでなく、にきびや多毛などの男性化症状がみられたり、糖代謝や脂質代謝にも影響を及ぼし肥満傾向も伴うとされます。さらに糖尿病、高脂血症、子宮内膜がんなどのリスクが高まるとも言われています。インスリン抵抗性があると、高インスリン血症を引き起こして男性ホルモン作用が強く現れ、PCOSの諸症状をもたらして内分泌に異常をきたすケースが多く、排卵障害の原因となります。
「インスリン抵抗性への食事対策」
インスリン抵抗性の改善には食事や運動などの対策が必要です。肥満の人にインスリン抵抗性が多くみられ、脂肪細胞にインスリンの作用を抑制すると考えられる物質が存在することから、減量をして脂肪を落とすことは効果的です。またインスリンの過剰分泌を抑えるには、血糖値を急激に上昇させない食品摂取が大事になります。
血糖値がどのくらいのスピードで上がるかをみる指標に「GI(グリセミック・インデックス)値」というものがあり、GI値の低い食品、つまり血糖値が上がりにくい食品を選んで摂取することは一つのポイントとなります。
また主食となる穀類はGI値の観点からも、できるだけ未精製に近いものを選ぶことをおすすめします。そしてよく噛んでいただくこと、口に甘い精製糖・砂糖を減らすことも大事になります。とくに精製糖・砂糖の摂取は急激な血糖値の上昇を引き起こすとともに、不妊に悩む現代女性の大敵「冷え」を生じさせるので注意が必要です。
「上記の症状に当てはまる」「インスリン抵抗性があると診断された」という方は、食事面での対策をより詳しくアドバイスいたしますので、栄養相談にいらしてください。
次回は、甘みの摂り方や甘味料についてご紹介したいと思います。